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売却お役立ちブログ

2025.04.16

空き家売却の賢い進め方|4つの方法と手続きの流れ

空き家売却の賢い進め方|4つの方法と手続きの流れ

高齢の親族の施設入居や相続を機に、空き家の処分問題に直面する方は少なくありません。所有している限り費用が発生したり、維持管理を放置すると法律上の責任を負ったりすることを考えると、速やかな売却が適切です。ここでは、売却の必要性から具体的な売却方法、税金対策まで解説します。

空き家を売却すべき理由と放置するリスク

不動産は所有しているだけで得になると考えられがちですが、住人のいなくなった住宅(空き家)にはさまざまなリスクが潜んでいます。よくあるのは、介護施設への入居などによって実家に住む人がいなくなり、売却完了まで持て余す例です。

空き家の放置による費用負担

空き家を所有し続けると、思いのほか多くの費用負担が発生します。固定資産税および都市計画税のほか、維持管理費(大規模なメンテナンスも含む)のため、負担の大きさは1年あたり数十万円にのぼることがあります。

 

■空き家の維持にかかる費用

空き家の放置による法律上の責任

空き家を放置することで法律上の責任も生じます。老朽化が進むと「空家等対策特別措置法」に基づく指定を受け、行政代執行による解体後に費用を請求されるかもしれません。また、周囲に生じた被害について近隣住民から損害賠償請求されたりする可能性があります。

 

■特定空家に指定されることによるデメリット
……空き家が社会問題化(後述)する昨今、放置されている家のメンテナンスや解体をうながすために法律が制定されました。制定された空家等対策特別措置法に基づき「特定空家」に指定されると、固定資産税の優遇措置である「住宅用地の特例」が適用されなくなり、課税額が6倍に跳ね上がります。

 

■空き家の老朽化・汚損による影響
……適切に維持・管理されない家には、建材の飛散、倒壊、不法侵入や不法投棄などのリスクがあります。これらの影響で周囲にも被害が生じると、所有者として損害賠償請求を免れられません。

介護費用や納税資金の問題

親の介護が必要になった場合、その費用は想像以上にかかります。特別養護老人ホームでも月額10万円から15万円程度、有料老人ホームでは月額20万円から30万円が相場です。さらに相続が発生したときは、亡くなった人の財産だけでは相続税を納付できないこともあります。

上記のような資金需要に備えて、財産はできるだけ現金化しておきたいところです。住む予定のない家がある場合は、積極的に売却を検討すると良いでしょう。

空き家売却の4つの方法とそれぞれの特徴

空き家売却の賢い進め方|4つの方法と手続きの流れ

空き家を売却する方法は大きく分けて4つです。そのままの状態で売る、リフォームして価値を高めてから売る、解体して更地にして売る、そして不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。

そのままの状態で売却する方法

空き家をそのままの状態で売却する方法には「中古住宅」または「古屋付き土地」として売る場合と「古家付き土地」として売る場合があります。この方法の最大のメリットは、解体費用や手間がかからないことです。

 

■中古住宅として売る場合
……中古住宅は建物自体にまだ価値がある場合の売り方です。築年数が古くても、構造や間取りによっては需要が見込めます。

 

■古家付き土地として売る場合
……建物の価値がほとんどなく、土地の値段のみで取引する売り方です。解体を予定して費用分の値下げが必要となることがありますが、工事期間を経ずにすぐ売却したいときはメリットがあります。

リフォームして売却する方法

空き家をリフォームしてから売却する方法は、物件の資産価値を向上させる可能性があります。とくに水回りや外壁など、目に見える部分のリフォームは印象を大きく変え、購入希望者の関心を引きやすくなります。築年数が古くても、内装がきれいであれば検討する買主は増えるでしょう。

実施するときのポイントとしては、下記の2点が挙げられます。

 

■費用対効果を意識する
……フルリフォームの場合、500〜1,500万円程度の費用がかかることもあり、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。特に立地条件が良くない場合、リフォーム費用を回収できないリスクが高まります。

 

■地域需要を考慮する
……ファミリー層が多い地域では収納スペースの確保や安全性の向上が喜ばれます。また、個性的なデザインや色使いは好みが分かれるため、なるべく無難なデザインを選ぶのが賢明です。

解体して更地として売却する方法

空き家を解体して更地にしてから売却する方法は、とくに建物の老朽化が進んでいる場合や、新築需要が高いエリアでは効果的です。更地になることで、買主は自由に建物を建てられるため、新築を希望する層に訴求しやすくなります。工事のポイントとして言えるのは下記の2点です。

 

■費用の相場を把握する
……解体費用は建物の構造や規模、地域によって異なりますが、一般的に木造住宅で100〜200万円程度、鉄筋コンクリート造ではさらに高額になります。この費用は売主負担となるため、売却益から差し引かれることを考慮する必要があります。

 

■解体時期を考慮する
……更地にすると住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。この税負担増を避けるには、1月1日(固定資産税の課税基準日)を過ぎてから解体し、できるだけ早く売却することが戦略として考えられます。

不動産会社に買取を依頼する方法

不動産会社に直接買取を依頼する方法は、最短数日から1週間程度で売却が完了する可能性があり、急ぎで現金化したい場合に適しています。仲介売却では買主を探す期間が必要で、数か月から1年以上かかることもありますが、買取ならその期間を大幅に短縮できます。また、内覧対応や値引き交渉の手間がなく、近隣に知られずに売却できるメリットもあります。

ただし、買取価格は仲介売却と比較して2〜3割程度安くなる傾向があります。これは不動産会社がリフォームや解体などの費用を見込んで価格を設定するためです。一般的に、買取価格は仲介価格の7割程度と言われています。

空き家売却の流れを6ステップで解説

空き家の売却は、初めての方にとっては複雑で不安を感じるかもしれません。とくに親の介護のために実家を売却する場合は、感情面での葛藤も伴います。しかし、手順を理解しておけば、スムーズに進めることができます。

空き家売却の賢い進め方|4つの方法と手続きの流れ

ここでは、空き家売却の流れを6つのステップに分けて解説します。

Step1.物件情報の確認

売却の第一歩は、物件に関する情報を確認することです。まずは法務局で登記簿謄本(全部事項証明書)を、市区町村の税務課で固定資産税評価証明書を取得しましょう。登記簿謄本では土地および建物の基本情報を、固定資産税評価証明書ではおおよその価値の目安(固定資産税評価額)を知ることができます。

建物の図面や設備表も重要です。購入時の契約書や建築時の書類を探し、設備の型番や購入年なども記録しておきましょう。

空き家を相続したときのポイント

相続した空き家を売却するための条件として、法務局で管理する帳簿(=登記簿)上の名義を亡くなった人から受け継いだ人に変更しておく必要があります。名義変更に必要な「相続登記」が済んでいない場合は、先に実施しましょう。

▼参考

相続した不動産の名義変更はどうやる?基本的な手続きの流れと相談先

不動産の遺産相続の進め方|最初の対応から相続登記の進め方・活用方法まで

Step2.不動産会社への査定依頼

物件情報が整ったら、不動産会社に査定を依頼しましょう。依頼先となる不動産会社はさまざまですが、地域の取引実績に詳しい業者を選ぶことで、より精度の高い情報が得られます。

査定には「訪問査定」と「机上査定」があります。机上査定は公的データをもとにした簡易的な査定で、訪問査定は実際に物件を見て行う詳細な査定です。正確な査定額を知るためには訪問査定が必須となります。査定時には、周辺相場や査定根拠、売却にかかる期間の見込みなどを質問しましょう。

Step3.媒介契約の締結

不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。契約の種類によって買主探索の制限が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

契約時には、仲介手数料の金額と支払時期を確認しましょう。仲介手数料は法律で上限が定められており、売却価格が400万円超の場合、「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限となります。契約期間は通常3か月で、必要に応じて更新できます。

媒介契約書には、売出価格、契約期間、広告方法、解約条件などが記載されています。とくに解約条件は重要で、万が一不満がある場合にどのように契約を終了できるかを確認しておくことが大切です。

Step4.売却活動の開始

媒介契約締結後、いよいよ買主を探す活動が始まります。売り出し価格は査定額を参考に設定しますが、早期売却を希望する場合は若干低めに、時間をかけても高く売りたい場合は高めに設定することも戦略のひとつです。進捗は定期的に不動産会社から報告を受け、必要に応じて価格調整や販売戦略の見直しを検討しましょう。

内見(※購入希望者が現地を見学すること)の対応も、売却成功の鍵を握ります。空き家の場合、清掃や簡単な修繕を行い、明るく清潔な印象を与えることが大切です。とくに玄関、トイレ、浴室などの水回りは重点的に掃除しましょう。遺品などの残置物は可能な限り片付け、広々とした空間を演出することで、購入検討者が自分の家具を配置したイメージを持ちやすくなります。

Step5.売買契約の締結

買主が見つかると、売買契約の締結に進みます。契約前には、売却価格、手付金の金額、引き渡し日、残置物の取り扱いなど、条件面での最終確認を行います。特に介護施設への入居タイミングと引き渡し日の調整は重要です。

売買契約書には、物件の詳細情報、売買代金、手付金(※契約したときに払ってもらう金銭)、契約解除条件、引き渡し条件などが記載されます。契約不適合責任(※物件の状態が買主が望むものとは異なった場合に負う責任)の範囲と期間も確認しておきましょう。これは引き渡し後に隠れた欠陥が見つかった場合の責任範囲を定めるものです。

Step6.物件の引き渡しと確定申告

引き渡し前には、建物内の最終確認を行います。契約書に記載された残置物の有無、建物の状態が契約時と変わっていないかをチェックします。また、すべての鍵を用意し、電気・ガス・水道の解約手続きも済ませておきましょう。

引き渡し当日は、司法書士立会いのもと、代金の受け取りと所有権移転登記の申請が同時に行われます。完了後は、不動産会社への仲介手数料の支払いも忘れないようにしましょう。

空き家売却時の税金と特別控除制度

空き家売却の賢い進め方|4つの方法と手続きの流れ

空き家を売却すると、その売却益について確定申告しなければなりません。このとき、譲渡所得税を納付する必要があります。課税では、条件を満たせば最大3,000万円の特別控除が受けられる制度などを積極的に活用しましょう。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税がかかるのは、売却価格から取得費および譲渡費用を控除した額です。取得費とは空き家を購入した際の代金や購入時の諸費用など、譲渡費用は売却時の仲介手数料・印紙税・測量費などの費用です。

 

■譲渡所得の計算方法
譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)

 

譲渡所得税の税率は、空き家を入手したときから売却するまでの期間(所有期間)によって異なります。税率は次のとおりです。

実際に課税される際には、復興特別所得税として所得税額の2.1%が上乗せされる点も忘れないようにしましょう。

空き家の3,000万円特別控除制度の活用法

空き家の3,000万円特別控除は、相続した空き家を売却する際に適用できる税制優遇制度です。この特例を利用するには、まず空き家の所在地の市区町村で「被相続人居住用家屋等確認書」を取得する必要があります。この確認書は確定申告時に必要となるため、売却前に準備しておくことをおすすめします。

空き家売却でよくある悩み

空き家の売却を進める中で、多くの方が直面する2つの大きな悩みがあります。1つは親が認知症を発症している場合の売却手続きの問題、もう1つは親族間での合意形成の難しさです。とくに親の介護施設入居に伴う実家売却では、これらの問題が同時に発生することも少なくありません。

親が認知症の場合はどうする?

認知症により判断能力が不十分だとされる人は、法律上、自力で不動産売買契約を結ぶことができません。介護者や近親者などが代理人となって売却したい場合には、その権限を得るため「成年後見制度」を利用する必要があります。

 

■成年後見制度とは
……家庭裁判所に審判を申し立て、親族や士業などから後見人(または保佐人・補助人)を選んでもらう制度です。後見人となった人には代理権が与えられ、さまざまな契約手続きを本人に代わって行えます。

 

なお、成年後見人が選任されても、親の住む家を売却する場合、あらためて家庭裁判所に許可してもらわなくてはなりません。許可を求めるときは、売却が本人の利益になることを証明する資料(介護費用の見積もりなど)が求められます。

親族から売却に関する合意を得るには?

親から相続した空き家を売却する場合、相続人全員で意見を一致させなくてはなりません。全員の合意をスムーズに得たいのであれば、なるべく生前の早い段階からオープンなコミュニケーションを心がける必要があります。

合意を得たとしても、売却手続きを巡って異論が出る可能性があるため、油断は禁物です。空き家を売却する理由(介護費用の確保など)や、売却代金の使い道を明確に説明し、親族の意見や不安に耳を傾けることが大切です。

まとめ

空き家の適切な売り方には、物件の状態や立地、売主の事情によってさまざまです。手続きに入るときは、売却の流れから完了までの時間を見込んだうえで、確定申告の準備や税負担を軽減できる制度の調査を進めておくと良いでしょう。

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