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売却お役立ちブログ

2025.12.26

訳あり物件とは?事故物件との違いや種類、売却方法などを詳しく解説

不動産を相続したものの、「どうやらここは訳あり物件らしい」と耳にして、売却できるのか不安に感じている方もいるかもしれません。「訳あり」と聞くと、将来のトラブルや売却が難しくなることを想像してしまい、このまま所有し続けることに不安を感じるのは当然のことです。特に物件が遠方にあるとなれば、管理の手間も含め、なるべく早めに手放したいと考えるのも無理はないでしょう。

そこでこの記事では、訳あり物件とはどのようなものなのか、種類や具体的な売却・処分の方法について解説します。正しい知識を身につけて、今後の検討に役立てましょう。

訳あり物件とは?

そもそも「訳あり物件」という言葉に、法律などで定められた明確な定義はありません。一般的には、土地や建物、周辺環境に何らかの事情があり、通常の物件に比べて買い手がつきにくかったり、敬遠されやすかったりする物件を指します。訳ありになる要因としては、建物の老朽化や法律上の制限、過去の不幸な出来事など多岐にわたります。

ここで重要なのは「訳あり物件=売れない」とは限らない点です。ある人には敬遠される事情でも、別の人にとっては「価格が安いなら気にしない」「むしろ好都合」と捉えられるケースもあります。物件が抱える事情を正しく理解し、適切な層へアプローチすれば、売却できるチャンスはあるでしょう。

訳あり物件と「事故物件」の違い

訳あり物件と聞くと、いわゆる「事故物件」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、訳あり物件のすべてが事故物件というわけではありません。というのも、事故物件は訳あり物件の一部に過ぎないのです。

事故物件とは、過去に物件内で殺人事件や自殺、孤独死などが発生した物件を指します。こうした物件は「心理的瑕疵物件」と呼ばれますが、訳あり物件になる理由には、それ以外にも法的問題や建物の不具合など、数多くの事象が存在します。「訳あり物件らしい」という話を耳にしても、事故物件だと判断するのは早計です。

訳あり物件の主な種類と特徴

訳あり物件は、訳ありになる要因となる「瑕疵(かし)」の種類によって、大きく4つに分類できます。瑕疵とは、物件に見られる欠陥や不具合のことです。問題となる瑕疵の種類によって、対処法や売りにくさが変わってくるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

心理的瑕疵物件

建物や設備に機能的な問題はないものの、借り手や買い手が「気持ち悪くて住みたくない」「怖い」と感じる事象を「心理的瑕疵」と呼びます。前述した事故物件(自殺、殺人、事故死など)がこれに該当します。

人の死以外にも、近隣に反社会的勢力の事務所やカルト的な宗教施設がある場合、心理的瑕疵と見なされることも。また、過去に周辺で起きた忌まわしい事件などが、地域全体のネガティブなイメージとして影響するケースもあるでしょう。

特に人の死に関しては、国土交通省のガイドラインにより、告知義務の基準が示されています。自然死や不慮の事故死などは、原則として売却時の告知は不要とされる一方、自殺や殺人、特殊清掃が入った孤独死などは、契約前に買主へ伝えなければなりません。心理的瑕疵物件を売却したい場合には、必ず不動産会社へ事実を伝えたうえで、ガイドラインに沿った対応を心がけましょう。

法的瑕疵物件

建築基準法や都市計画法、消防法などの法令基準を満たしていないことを「法的瑕疵」と呼びます。法的瑕疵物件には、建築当時は合法でも、その後の法整備で基準を満たさなくなった「既存不適格物件」などが含まれます。

代表例は「再建築不可物件」です。現在の法律では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には建物を建てられません(接道要件)。しかし、建築基準法制定以前からあった古い街並みでは接道要件を満たさない土地も多く、一度更地にすると新たな家を建てられない場合があります。

他にも、建ぺい率や容積率オーバーの建物、隣地との境界線が曖昧な境界未確定物件などが含まれます。法的瑕疵物件は、ローン審査が通りにくいなどの理由から買い手が見つかりにくいでしょう。

物理的瑕疵物件

建物や土地そのものに見られる物理的な欠陥や不具合が「物理的瑕疵」です。建物を例に挙げれば、雨漏り、ひび割れ、シロアリ被害、床の傾き、アスベスト使用などが挙げられます。相続した物件が長期間空き家の場合、換気不足によるカビや腐食が進み、物理的瑕疵を抱えている可能性は高いでしょう。

また、土地の物理的瑕疵も見逃せません。軟弱地盤、地盤沈下、地中の埋設物(廃材や古井戸など)、土壌汚染などが該当します。これらの瑕疵は建物解体時や地盤調査時に発覚することが多く、撤去や浄化に多額の費用がかかるため、売却時の大きなネックになるでしょう。

環境的瑕疵物件

物件自体に問題はなくとも、周辺環境に要因があり、住環境としての快適さが損なわれる場合は「環境的瑕疵」扱いになる可能性があります。代表的なのは、火葬場、墓地、ゴミ処理場などの嫌悪施設が近隣にあるケースです。また、線路や幹線道路による騒音・振動、工場からの異臭なども環境的瑕疵に含まれます。

ただし、環境的瑕疵かどうかはあくまで主観的な判断です。「お墓が近くても気にならない」という人もいれば、「絶対に嫌」という人もいます。この線引きの曖昧さが、売買時のトラブルにつながりやすいため注意が必要です。

相続した訳あり物件を所有することによるリスク

「売れるかわからないから」と、相続した訳あり物件をとりあえず放置してしまうケースは少なくありません。しかし、不要な訳あり物件を所有し続けると、金銭的負担だけでなく法的責任も伴う場合があります。次の4つのリスクを正しく理解し、早めに対策をとるのがおすすめです。

固定資産税・都市計画税がかかる

土地や建物に関しては、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税や都市計画税が課税されます。たとえ空き家であっても、建物が使えない状態であっても、原則すべての不動産に対してかかるものです。

特に注意したいのが「管理不全空き家」や「特定空き家」への指定です。管理が行き届いておらず、周囲に悪影響を及ぼす恐れがあるとしてこれらに指定されると、住宅用地の特例が解除され、土地の固定資産税・都市計画税が跳ね上がるリスクがあります。活用していない資産のために毎年税金を納め続けるのは、大きな負担になりかねません。

メンテナンスコストがかかる

訳あり物件を所有し続けると、税金に加え、維持管理費もかかります。空き家は劣化が進みやすいため、定期的な風通しや草むしりなどが欠かせません。物件が遠方にある場合は交通費がかさみ、管理会社に管理を委託すれば委託料が発生します。また、万が一台風や地震で破損すれば、修繕費も必要になるでしょう。

管理を怠ったまま放置して、倒壊や屋根の落下などが発生すれば、他人に被害を与えてしまい、損害賠償責任を問われる恐れさえあるのです。

子や孫に面倒をかけるおそれがある

「自分たちの代は無理でも、子どもや孫の代でどうにかなるだろう」という楽観的な先送りは、問題を深刻化させるおそれがあります。

放置すればするほど建物の劣化は進行する上、「訳あり」だからといって、相続税評価額も多くの場合それほど変わりません。殺人事件や死亡事故の現場として広く報道され、明らかに利用価値が下がっているケースなどは例外ですが、基本的には、通常の物件とさほど変わらない相続税負担を強いることになります。

子どもや孫に管理責任や処分の悩みを押し付けないためにも、早めに手を打っておくべきでしょう。

訳あり物件を活用・処分する方法

使い勝手の悪い訳あり物件を活用したり処分したりするには、どのような方法があるのでしょうか。考えられるのは次の3つの方法です。

第三者へ賃貸する

訳あり物件であっても、家賃を周辺相場より安く設定すれば、借り手が見つかる可能性はあります。「事故物件でも気にしない」「とにかく安く住みたい」という層は一定数いるからです。特に、近年物件価格や家賃が高騰している都心部や人気の駅近であれば、家賃の安さが武器になることもあるでしょう。

ただし、損傷が激しく修繕に多額の費用がかかる場合、安い家賃では費用回収が困難になるケースも。そうなれば、投資として成り立たないため注意が必要です。

寄付する

利益よりも手放すことを優先する場合、自治体や法人、個人へ無償譲渡する方法もあります。売却は難しくても、無料で寄付となれば受け入れてもらえるかもしれません。

しかし、自治体は公的な利用目的がない限り、寄付を受け付けてくれません。個人や法人の場合も、贈与税や不動産取得税、維持費の負担などがあるため、相手に明確なメリットがない限りは断られる可能性が高いといえます。

隣地所有者が土地を広げたいと考えているようなケースを除き、ハードルが高いのが実情です。

売却する

活用予定がなく、寄付も難しいようであれば、多少条件が悪くても売却してしまうのが最も現実的な方法です。相場より安価でしか売れなかったとしても、固定資産税や管理コストの負担を回避できる上、多少なりとも現金化できます。将来の倒壊リスクや相続トラブルというリスクからも解放されるでしょう。

トータルの経済的・精神的負担を考えるなら、なるべく早めに売却してしまうのがおすすめです。

訳あり物件を売却する方法

訳あり物件の売却には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2つの方法があります。状況や希望に合わせて、両者を上手に使い分けましょう。

一般的な仲介で売却する

訳あり物件であっても、契約前に適切な告知さえすれば、一般市場で売却することは可能です。この場合、通常の売却と同じく、不動産会社に仲介を依頼して買い手を探します。

仲介による売却の最大のメリットは、適正価格で売れる可能性があること。瑕疵の内容を告知した上で納得してくれる買い手が見つかれば、周辺相場に近い価格で売れるかもしれません。状態が比較的いい物件や立地がいい物件なら、不動産会社に依頼する価値はあるでしょう。

ただし、一般の購入希望者は訳あり物件への忌避感が強いものです。そのため、買い手が見つかるまでに時間がかかったり、大幅な値下げを求められたりするリスクはあります。

訳あり物件の売却価格相場

訳あり物件は通常に比べて価格が割安になりがちですが、価格の下落幅は瑕疵の種類によって異なります。種類ごとの価格相場は次のとおりです。

重大な心理的瑕疵がある場合、「半値でも売れればOK」という覚悟も必要です。

訳あり物件に強みのある不動産会社に買い取ってもらう

一般的な仲介での売却が難しい場合でも、諦めるのはまだ早いでしょう。もう一つの方法として、訳あり物件を専門で取り扱う不動産会社に買い取ってもらうという選択肢があります。

彼らは、訳あり物件の利活用に関する専門的なノウハウを持っているため、築古物件や事故物件、再建築不可物件でも現状のまま買い取ってくれます。条件が合えば、数日から数週間で現金化でき、売却後の欠陥に対する売主の責任(契約不適合責任)も免除されるケースが大半です。物件情報を公開する必要がないので、近所に知られることなく売却できるのも利点といえるでしょう。

その反面、売却価格は市場相場の60〜70%程度と割安。購入しても利活用の目処が立たない物件は、そもそも買い取ってもらえない点にも注意が必要です。

とはいえ、不要な訳あり物件をすぐに手放せるメリットは絶大です。仲介で売れ残っている場合や、とにかく早く手放したい場合は、訳あり物件を取り扱う不動産会社に問い合わせてみましょう。

まとめ

「訳あり物件」といっても、訳ありの要因となる瑕疵にはさまざまな種類があります。相続した物件が訳ありだった場合、まずはその要因を正しく理解することが大切です。その上で利活用が難しいのであれば、早期売却へ向けて動くことが、自分や家族にとって最善の選択になるでしょう。

少しでも高く売りたいなら「仲介」、手間なく早期に手放したいなら「専門業者による買取」を検討してみてください。どちらにすべきか迷う場合は、信頼できる地元の不動産会社に相談してみることをおすすめします。

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