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売却お役立ちブログ

2025.11.28

マンション売却にリフォームは必要?いらない理由や費用相場を解説

住み替えや相続財産の整理のため、所有している中古マンションを売却するにあたって、「今のまま売っていいのだろうか」と悩むケースもあるでしょう。特に築年数が経過していると、壁紙の汚れや設備の古さが気になり、「リフォームしてから売り出したほうがいいのでは?」と考えるのは自然なことです。

しかし、多くの場合、売却前のリフォームは不要と考えられます。この記事では、マンション売却におけるリフォームの必要性や判断基準、リフォームする場合の費用相場などを詳しく解説します。

マンション売却前にリフォームはすべき?不要?

結論からいえば、多くの中古マンションで売却前のリフォームは不要と考えられます。

もちろん、使い古されて汚れた部屋よりリフォームされた部屋のほうが、内見時の印象がよいのは間違いありません。しかし、不動産売買において、リフォームの有無が購入の決定的な判断材料になることは少ないのです。

多くの場合、リフォーム費用を売却価格にそのまま上乗せして回収することは難しく、結果的に手元に残るお金が減ってしまいがち。まずは「現状のまま売り出す」ことを基本とし、周辺のマーケットやニーズを探りながら、必要な場合にのみリフォームを行うというスタンスがおすすめです。

「マンション売却でリフォームは不要」といわれる3つの理由

なぜ、一般的に「マンション売却でリフォームは不要」といわれるのでしょうか。主な理由は次の3点です。

  1. リフォーム費用を価格に反映するのが難しいから
  2. 自分好みにリフォームしたい購入希望者が多いから
  3. リフォームで競争力はそれほど上がらないから

それぞれのポイントを細かく見ていきましょう。

1. リフォーム費用を価格に反映するのが難しいから

一番の理由は「費用対効果」の問題です。例えば、300万円かけてリフォームしたとしても、売却価格を300万円アップするのは難しいでしょう。

中古マンション市場では、購入検討者は近隣の相場を基準に比較します。もしリフォーム費用を上乗せして相場より300万円高くなっていれば、多くの買い手は「割高である」と判断し、検討対象から外れてしまうはずです。

リフォームで物件価値は上がりますが、かけた費用分だけ評価が上がるわけではありません。費用の回収ができず、「リフォームせずに売ったほうが得だった」という結果になる可能性があるのです。

2. 自分好みにリフォームしたい購入希望者が多いから

近年は「中古マンションを購入して、自分好みにリノベーションする」というスタイルが定着。特に若い世代を中心に、内装や間取りを自由にカスタマイズしたいというニーズは高まっています。

こうした層にとって、売主が行ったリフォームは「余計なお世話」になりかねません。無難なデザインにリフォームしても、購入者が内装テイストにこだわりを持っていた場合、新品の設備がかえって邪魔になるおそれがあります。

さらに、リフォーム済みで価格が上がっている物件は、解体・改装費用を考えると予算オーバーになりやすく、リノベーション目的での購入者からは敬遠されます。売却前のリフォームによって、「古いままでいいから安く買いたい」という層を取り逃がすかもしれないのです。

3. リフォームで競争力はそれほど上がらないから

中古マンション選びで重視されるのは、「立地」「築年数」「専有面積」といった基本条件です。内装のきれいさはプラス材料になるものの、決定的な条件を覆すほどのインパクトはありません。

例えば、同じエリアで「相場より300万円高いがリフォーム済み」と「相場どおりの価格でリフォームなし」の物件があったとしたら、後者を選んで自分好みに直したいと考える方が多いでしょう。リフォームで物件の基本スペックを変えられるわけではないため、リフォームしたところで競争力は思ったほど上がらないのです。

同じマンション内で似た条件の部屋が大量に売り出されているような状況を除けば、リフォームしているかどうかに関係なく、基本条件で勝負が決まります。

【2025最新】マンション売却前のリフォームにかかる費用相場

売却前のリフォームは基本的に不要とはいえども、汚れや傷みが激しく最低限の手直しが必要なケースもあるでしょう。もしリフォームする場合、どのくらいの予算を見ておけばよいのでしょうか。

昨今の物価高や人件費の高騰により、リフォーム費用も上昇傾向にあります。2025年現在、中古マンションのフルリフォーム費用相場は「1㎡当たり15万〜20万円」程度が目安です。一般的な広さに換算すると以下のようになります。

箇所別にみるリフォーム費用相場

フルリフォームは高額なため、売却前に実施するなら汚れが目立つ部分に絞った「部分リフォーム」が現実的です。主な箇所別の費用相場を見てみましょう。

リフォーム箇所

費用相場(目安)

備考

キッチン

80万〜150万円

システムキッチンの交換など。製品のグレードによって変動

浴室

80万〜120万円

システムバスの交換など。製品のグレードによって変動

トイレ

20万〜40万円

便器交換、壁紙の貼り替えなど。便器は製品のグレードによって変動

洗面所

20万〜50万円

洗面化粧台の交換など。製品のサイズやグレードによって変動

クロス(壁紙)

5万〜10万円

6畳1間の貼り替えを想定

フローリング

30万〜90万円

床材のグレードや工法によって変動

クロスの貼り替えは比較的リーズナブルながら、部屋全体の印象を明るくするため、コストパフォーマンスのよいリフォームです。費用を抑えたいなら、LDKや玄関など目立つ場所に絞るのも一つの手です。

マンション売却前のリフォームによるメリット3選

基本的には不要とされる売却前のリフォームですが、行うことによるメリットもあります。

  1. きれいな設備で競争力をアップできる
  2. 内見時の印象をアップできる
  3. リフォーム済み物件を探している方をターゲットにできる

ここでは、各メリットの内容を紹介しましょう。

1. きれいな設備で競争力をアップできる

内見において、購入希望者が特に重視するのが水まわりの清潔感です。キッチンや浴室、トイレが汚いと、検討対象から外されやすいといえます。

住宅リフォーム推進協議会の調査(2024年度)によれば、マンションでリフォームを実施した箇所の上位はトイレ(62.5%)、浴室・洗面所(58.8%)、キッチン(45.0%)と水まわりに集中しています。

水まわりのきれいさは生活の質に直結するため、新品同様であれば「気持ちよく新生活をスタートできる」という安心感につながるでしょう。競合物件が多いエリアでは、最新の水まわり設備がアピールポイントになるはずです。

2. 内見時の印象をアップできる

購入希望者が最終的に購入を判断する大きな決め手となるのが、内見時の第一印象です。玄関を開けた瞬間の明るさや清潔感は、理屈抜きで「ここに住みたい」と思わせる力を持っています。

壁紙の黄ばみや床の黒ずみ、タバコのヤニ汚れなどが目立つと、部屋全体が暗く古ぼけた印象になり、どうしても敬遠されがちです。リフォームで汚れを一掃し、清潔感を演出できれば内見時の印象がぐっとよくなり、買い手が見つかりやすくなるでしょう。

3. リフォーム済み物件を探している方をターゲットにできる

リノベーション前提で物件を探す層がいる一方で、「忙しいのですぐに入居したい」「工事の手間が面倒」と考え、リフォーム済みの物件を探す層も一定数います。特に転勤や入学に合わせて転居を急ぐ方にとって、即入居できるリフォーム済み物件は魅力的です。

とはいえ、リフォーム済み物件は供給数が少なく、希少価値が高いといえます。ターゲットは絞られますが、探している方とのマッチングがうまくいけば、早期売却や希望価格での売却につながるでしょう。

マンション売却前のリフォームが効果を発揮するケース3選

では、どのような状況なら、売却前のリフォームを検討する価値があるのでしょうか。「基本は不要」の例外となり得る3つのケースをご紹介します。

  1. 築年数の割に明らかに劣化が進んでいるケース
  2. ライバル物件が多く、埋もれてしまうケース
  3. 売却開始から半年以上買い手がつかないケース

1. 築年数の割に明らかに劣化が進んでいるケース

「築浅なのに使い方が荒くてボロボロ」というケースは要注意です。築年数相応の状態を超えて汚れや破損が激しく、「水まわりが故障して使えない」「壁に大きな穴がある」「ペットやタバコの臭い・ヤニで変色している」など生活に支障が出るレベルなら、最低限のリフォームや修繕は必要です。

このような状態では、リノベーション前提の買い手であっても、購入を躊躇するおそれがあります。マイナス要素をゼロに戻すためのリフォームは検討すべきでしょう。

2. ライバル物件が多く、埋もれてしまうケース

人気エリアや大規模マンションで、似たような条件の部屋が多数売り出されている場合、差別化のためにリフォームが効果を発揮する場合があります。

ただし、奇抜なデザインにするのではなく、誰にでも好まれる「シンプルで明るい内装」にするのがおすすめです。ほかの似たような物件と比較したとき、購入検討者の記憶に残りやすくなり、早めの売却につながります。

3. 売却開始から半年以上買い手がつかないケース

リフォームしないまま、適正価格で売り出して半年以上経っても成約しない場合、何らかのテコ入れが必要です。価格が適正なのに売れないなら、物件の見た目や印象に問題があるのかもしれません。

このような場合、購入希望者に振り向いてもらうきっかけとして、小規模なリフォームを施すのも効果的です。LDKのクロスを貼り替えたり、和室を洋室に変更したりすることで、物件情報の写真や内見時の印象ががらっと変わり、新たな希望者を呼び込めるでしょう。

リフォームがマンション売却後の確定申告に与える影響

リフォームして売却する場合、税金面への影響も確認しておきましょう。

マンション売却で利益(譲渡所得)が出た場合、売却翌年の2月16日から3月15日まで(年によって変動する場合あり)に確定申告が必要です。譲渡所得は「売れた金額」から「取得費(買った時の費用)」と「譲渡費用(売るための費用)」を差し引いて計算します。

この譲渡所得に対して、譲渡所得税と呼ばれる所得税・住民税・復興特別所得税が課せられる仕組みです。ただし、自宅マンションの売却であれば「3,000万円特別控除」や「軽減税率の特例」など、特例の対象となるケースが多くなっています。こうした優遇措置を受けるにも確定申告は必須となるので、忘れずに申告しましょう。

なお、売却のために行ったリフォーム費用は、物件の価値を高めるもの(資本的支出)として認められる場合、その費用を「取得費」に加算できます。取得費が増えれば、その分だけ譲渡所得が減り、結果として税金を安く抑えられる可能性があります。

単なる修繕(現状維持)か、価値を高めるリフォームかによって税務上の扱いが異なる場合があるため、詳細は税理士に確認しましょう。

リフォームをせずマンション売却を有利に進める方法

汚れが気になる場合でも、費用をかけてリフォームするのは避けたいという方もいるでしょう。そのような方に向け、リフォームなしでも売却を有利に進められる方法をご紹介します。

ハウスクリーニングやホームステージングで内見の印象をアップする

高額なリフォームの代わりに、数万円で印象をアップできるのが「ハウスクリーニング」です。特に水まわりをプロに磨き上げてもらうだけで、清潔感は見違えるほど変わります。

また、家具や小物で演出する「ホームステージング」も効果的です。その部屋での理想的な暮らしをイメージできるインテリアがあれば、内見した方の購入意欲も高まるでしょう。近年では「バーチャルホームステージング」も活用されています。

ニーズが高まる時期に合わせて売却する

不動産取引の繁忙期である「2月〜3月(新年度向け)」と「9月〜10月(秋の異動向け)」に合わせて売り出すのも戦略の一つです。

この時期は購入意欲の高い買い手が増えるため、適正価格で成約できるチャンスが高まります。逆に閑散期だと売れ残りのイメージがつきやすいため、世間のニーズの波を味方につけることが大切です。売り急ぐことがないよう、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

信頼できる不動産会社に仲介を依頼する

マンションの売却は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。売却活動は委託を受けた不動産会社が主体的に行うため、パートナーとなる不動産会社選び次第で、売却の成否が決まるといっても過言ではありません。

一社だけでなく複数社に査定を依頼し、担当者の対応や戦略を比較検討してみましょう。安易にリフォームを勧めるのではなく、状況に応じた最適な進め方を親身になって考えてくれる担当者を味方につけることが、マンション売却を成功に導くポイントです。

まとめ

マンションの売却前に、あえてリフォームする必要はありません。売却を有利に進めたいなら、ハウスクリーニングやホームステージングを検討するとともに、不動産市場の繁忙期に合わせて売却するのがおすすめです。

ただし、築年数の割に劣化が激しい場合や長期間売れない場合のテコ入れなど、リフォームが効果を発揮する場面もゼロではありません。まずは信頼できる不動産会社に現状を見てもらい、「今のままで売れるか」「どこを直すべきか」のアドバイスを受けたうえで、リフォームするかどうか判断しましょう。

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