住宅の寿命は多くの研究があります。早稲田大学の教授らが行った「建物の平均寿命推計」の最新調査 (2011年) によれば、人間の平均寿命を推計するのと同様の手法を建物で採用した場合、木造住宅の平均寿命は64年としています。
マンション (RC / 鉄筋コンクリート造) の寿命には諸説あります。例えば、117年 (「建築の維持管理」鹿島出版会) 、68年 (「建物の平均寿命実態調査」) 、120~150年 (「固定資産の耐用年数の算定方式」) など。実際には配管の種類や箇所にも大きく左右されますが、思いのほか長持ちするイメージです。
おそらく今後はもっと寿命が伸びることになると思います。適切な点検や修繕を行う慣習がなかったこれまでの状況で推計したのが上記の寿命であり、所有者が意識するだけで格段に寿命は伸びるはずです。また建物の寿命をのばす技術も時間の経過とともに進歩しています。
築80年RC (鉄筋コンクリート) 造の建物をリノベーションした実例もあります。課題のコンクリートは強度に問題がないことをコア抜き試験で確認。もちろん劣化している箇所はあるため一部は鉄筋の張り替え、フレッシュコンクリートを注入するなどして補修、表面に1.5cm程度のポリマーセメントモルタルを塗布することで、寿命は60年程度プラスされ、築140年まで伸長すると認定されました。
コンクリートは当初「アルカリ性」を示します。これが空気中の炭酸ガスを吸収して年に0.5mmずつ中性化されます。鉄筋のかぶり厚 (コンクリートの厚み) は3cm。つまり60年でコンクリートの中性化が鉄筋にまで到達します。コンクリートは中性化しても強度が弱まるわけではなく、空気や水が浸透しやすくなることで劣化します。これが鉄筋にまで到達すると錆を生じさせることで鉄筋が膨張、コンクリートを徐々に押し出すような事態が発生します。このとき、前述のような施工を施せば鉄筋は保護されるためまだ十分に利用可能ということになります。
十分なメンテナンスを行うことでマンションの寿命がプラスされていきます。
築年数30年以上のマンションですが、気に入った物件があります。そのマンションは駅からも近く、内装および外装とも最近リノベーションされており価格も近隣と比べて安い物件です。
ぜひ購入したいと思うのですが、1点気になることが……。それは、マンションは何年程度もつのだろうかということです。途中で倒壊されるのも嫌ですし……。
教えてください!