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リノベーション物件(リノベ物件)とは?メリット・デメリットを解説
中古物件は新築物件に比べてリーズナブルに購入できることから、マイホームの購入費用を抑えたいと考える方にとっては有力な選択肢になります。しかし、中古物件の設備や内装の古さが気になるという方も多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめしたいのが「リノベーション物件(リノベ物件)」です。
今回は、リノベ物件とはどのような物件で、どのようなメリット・デメリットがあるのか、わかりやすく解説します。
リノベーション物件(リノベ物件)とはどんな物件?
リノベ物件とは、中古戸建て住宅や中古マンションにリノベーションを施した状態で販売される物件のことをいいます。リノベーションによって内装や設備の更新、間取り変更などが行われており、築年数は経過しているものの、新築物件のようなきれいさと快適な住み心地を備えているのが特徴です。
リノベ物件と似たような形態として「リフォーム済み物件」が挙げられます。リフォーム済み物件は、壁紙の貼り替えや故障した住宅設備の交換など、原状回復のための改修が行われているのが一般的です。一方のリノベ物件は、現代のライフスタイルに合わせた住まいへと見直す大規模な改修工事が施されており、小規模な改修のみを実施したリフォーム済み物件とは区別されるケースが多くなっています。
リノベ物件を購入する5つのメリット
新築物件や中古物件を購入する場合と比較して、リノベ物件には次の5つのメリットがあります。
(1)内装や室内の設備が新築並みのスペックである
(2)新築物件に比べて、価格がリーズナブルなケースが多い
(3)リノベーション工事が不要で、購入後すぐに入居できる
(4)デザイン性の高いおしゃれな物件が多い
(5)住宅ローンの手続きが単純でわかりやすい
以下では、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
(1)内装や室内の設備が新築並みのスペックである
リノベ物件は、全面的にリノベーションした状態で販売されるため、内装や水まわりの設備などは新しいものに交換されています。最新設備が導入されている物件もあり、新築並みの高いスペックが期待できるでしょう。
(2)新築物件に比べて、価格がリーズナブルなケースが多い
内装や設備が新築並みとはいえ、物件そのものは中古なので、新築に比べると価格がリーズナブルな傾向にあります。リノベ物件は、コストパフォーマンスに優れた物件といえるかもしれません。
(3)リノベーション工事が不要で、購入後すぐに入居できる
中古物件を購入して自分でリノベーションする場合、引き渡しを受けてからリノベーション工事を行う必要があります。一方、リノベ物件はすでに工事済みなので、引き渡しを受けてすぐに生活を始められるのも魅力です。
(4)デザイン性の高いおしゃれな物件が多い
リノベ物件は、リノベーション会社や不動産会社などのプロが流行を取り入れながらプランを考えています。そのため、デザインや間取りにこだわったおしゃれな物件が多い点もメリットです。
(5)住宅ローンの手続きが単純でわかりやすい
「中古を買ってリノベーション」にかかる費用をローンで賄う場合、物件購入費用を住宅ローン、リノベーション工事費用をリフォームローンで借り入れるのが基本です。物件購入費用とリノベーション工事費用を住宅ローンでまとめて借り入れる「一体型ローン」もありますが、スケジュールがタイトになりやすく、手続きが煩雑になりがちです。
リノベ物件であれば、通常の中古物件を購入するのと変わらないため、住宅ローンの手続きもシンプルでわかりやすくなります。
リノベ物件で気をつけたい4つのデメリット
魅力の多いリノベ物件ですが、次に挙げる4つのデメリットに気をつける必要があります。
(1)リノベーション工事費用が物件価格に上乗せされる
(2)建物そのものは古いままである
(3)物件の選択肢が限定される
(4)リノベーション工事が適切に行われたか判断できない
上記の4点についても詳しく見ていきましょう。
(1)リノベーション工事費用が物件価格に上乗せされる
リノベ物件は新築に比べると価格が安いとお伝えしました。しかし、一般の中古物件に比べると割高に設定されています。なぜなら、物件価格にリノベーション工事費用が上乗せされるからです。購入後に自分たちで手を加えたいのであれば、通常の中古物件を探したほうがコストを抑えられるでしょう。
(2)建物そのものは古いままである
新築並みのきれいな内装・設備が魅力のリノベ物件ですが、建物の構造自体は古いままです。どれだけきれいに見えたとしても、耐震性や断熱性といった基本的な住宅性能に問題がないか、事前の確認が欠かせません。
(3)物件の選択肢が限定される
リノベ物件は中古物件の中でも少数派です。リノベ物件に絞って探していると、希望に合う物件をなかなか見つけられない可能性もあります。リノベ物件はあくまで一つの選択肢としてとらえ、中古物件を幅広く探すのがおすすめです。
(4)リノベーション工事が適切に行われたか判断できない
リノベ物件は購入時点ですでにリノベーション工事が完了しているため、工事が適切に行われたかどうか、直接確認することができません。万が一、購入後に不具合が見つかっても対処できるよう、販売する会社が「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」や「リフォーム瑕疵保険」に加入しているかどうか確認しておくと安心です。